2021年02月15日
香典袋の表書きはどの宗教で葬儀が行われるかによって変わるため迷うことも多いですが、実は簡単に表書きを覚える方法があります。それは、各宗教で使われるものと関連付けることです。そもそも「御香典」という言葉は、仏教式の葬儀で使われるお線香、つまりお香の代わりにお供えするお金という意味です。
お香だから「御香典」です。同様に、神道式の葬儀であれば榊や玉串を使いますので、「御榊料」または「御玉串料」、キリスト教の場合はお花を捧げますので「御花料」です。これならば楽に覚えられます。なお、どの宗教でも無難な表書きの言葉として「御霊前」がありますが、実は浄土真宗とプロテスタントの葬儀では使えません。
浄土真宗の場合は人は亡くなってすぐ仏に成るという信仰があるため、プロテスタントの場合は偶像崇拝を禁じる信仰のため、それぞれ「霊」という概念を認めていません。そのため、「御霊前」という言葉は使えないということになっています。
このように、表書き一つとっても各宗教の信仰の違いが現れています。亡くなった方への祈りを捧げると共に、その人とのお別れの儀式がどのような信仰に基づいているのかに思いを馳せてみるのも、一つの供養の形かもしれません。